忘れ物





朝は忙しい。
昨夜急に来て
「明日は夜勤だったな?」
なんて、答えるよりはやく体を暴かれ、そのまま抱かれ。



「貴様は朝からの勤務だろう!」
などという抵抗は許してもくれず、
何週間振りにか抱かれたものだから訳もわからず欲しがって・・・。
それに応えてくれるこの男に頼もしさなどを感じつつ、久しぶりに満ちた。
兎に角、そんな事をしにきて、次の日が
(いや、その日のうちに)朝勤だなんてばかげている。



颯爽と部屋から出て行くその男を見送って、
気にせずニ度寝しようと踵を返した途端に腕を掴まれる。
「忘れ物をした」
「なん・・・」
・・・と、言う間もなく唇を奪われた。
男はニヤリ、と笑ってガダラルの頭を撫で
「行ってくる」
とだけ言うと、再び廊下へと吸い込まれていった。





本気で惚れてるから、不意打ちは本気で嬉しい。