雨が降る。

戦のさなか、建物に燃え移った小さな炎がゆっくりと鎮静化する。

 

傍らには男がいた。

その男にだけ聞えるように問う。

「やがて戦いはこの炎のように消えるのか?」

 

男は黙って、その細い肩を抱いた。