記念日





ふと、サイドの髪を上げる手があった。
「・・・?」
耳たぶに、パチリ。と金属を嵌める音。
「初めて出会ってから2年目だな」
触れると、そこには小さく透明な石がぶら下がっていた。
「・・・気障な・・・」
「男の甲斐性だ」
「俺は何も用意しとらんぞ」
その男はにっこりと微笑むと、少し膝を曲げて背丈を合わせてきた。
ああ、畜生。
呟きながら、背伸びをすることなく・・・口付けた。